荒川、二つ目の湯は、家具職人だった先代手製のものが残っているという雲翠泉さんに決めました。
おや、緑の柄タイルが帝国湯さんと同じ
一見地味な入口ですが、このタイルの様子はかなり好きです。
期待できそうな雰囲気
脱衣所や浴室の撮影はできないので、建物の様子を記録するためにこっそりトイレを撮らせていただくことがあります。
ハイタンクだ!
スペシャル メイドイントーキョーですぜ
帆船が受ける荒波のようなしぶきでザパーンと流してくれるイメージでしょうか。違うと思うけど。
そしてここには大好物のなつかし楕円タイルが貼ってありました。
バックヤードの掲載は控えますが、縁側があってしびれたよ。
浴室は早川利光さんのペンキ絵。
なき巨匠の作品をたて続けに見るなんて、荒川区の銭湯ってばすごい。2008年に描かれたものを2020年に庶民文化研究科の町田忍さんが修復なさったそう。
すぐ目を引いたのは奥にあるスタッフ用の出入口。上部がアーチ型になっていて、8等分したピザの半分のように木枠で区切られ、ガラスがはまっていました。このあたりも先代さんの手製部分なのでしょうか。
男女の仕切り壁は九谷焼タイルで、額縁のような四つの四角の中に、浦島太郎、花咲か爺、桃太郎、舌切り雀のワンシーンが描かれていました。峯雲の筆。
他所でオール舌切り雀の四コマを見たことがありますが、擬人化されたスズメが着物から頭と翼を出していて、笑いを誘うけど結構芸が細かく、好きなのです。再会を果たしましたチュン。
私の知る限りですが、中部地方の銭湯でよくあるように、浴室の真ん中に独立した湯船がありました。東京では奥の壁に沿った浴槽が一般的なので珍しいです。浴槽の湯気がペンキ絵を直撃しないことで、貴重な作品が長持ちしたのですね。
湯上りの一枚
引き戸、いいな。
ここもいい風呂でした。私が腰かけた長椅子も先代がこしらえたものかしら。
感動が大きくて見落としが多そうなので、ここもまた行きたいです。